2019年11月12日 9:00 am

11月も中旬になり、いよいよ年末も近づいてきました。

 

皆さまの手元にも年末調整をする用紙が配られているのではないでしょうか?

名古屋市名東区 牧会計事務所 所長の牧です。

 

 

 

 

我々もあとしばらくすると顧問先の年末調整業務が始まります。

 

その時よく質問されるのは、妻や子供がいくらまでの収入ならば扶養親族になれるかということです。

 

 

 

 

所得金額が38万円以下

給与収入だけならば103万円(給与所得控除が最低65万円あるため)以下なら扶養親族になれます。

 

 

 

しかし、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の扶養者の条件は、所得税の扶養者の条件と違います。条件が違うからややこしくなります。

 

社会保険の扶養者の条件は、以下のようになります。

 

被扶養者に該当する条件は、被保険者により主として生計を維持されていること、及び次のいずれにも該当した場合です。

収入要件

年間収入130万円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入※180万円未満)かつ

 

  • 同居の場合 収入が扶養者(被保険者)の収入の半分未満(*)
  • 別居の場合 収入が扶養者(被保険者)からの仕送り額未満

 

 

※ 年間収入とは、過去における収入のことではなく、被扶養者に該当する時点及び認定された日以降の年間の見込み収入額のことをいいます。(給与所得等の収入がある場合、月額108,333円以下。雇用保険等の受給者の場合、日額3,611円以下であること。)

 

というように収入要件が変わるのです。

 

 

給与収入が103万円より超えていれば、所得税の扶養者にはなれないけれど130万円以下であれば、社会保険の扶養者にはなれるのです。

 

もっとややこしいのは、その収入の内訳で、雇用保険の失業等給付、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金は非課税所得になり、所得税の103万円の収入基準から除かれ計算されるのですが、社会保険の収入基準の130万には、それらの金額は含めなくてはいけません。

 

 

所得税の扶養親族になれても社会保険の扶養者になれないことになるので注意が必要です。

 

さらに適用時期も違います。

 

 

所得税では、103万円を超えてしまうと超えた年分はすべて、扶養親族から外されてしまうのですが社会保険は130万を超えた時点から扶養者から外されるのです。

 

 

所得税では配偶者特別控除の改正があり、103万円を超えても150万円以下まで(居住者の合計所得金額が900万円以下)は控除額は配偶者控除と変わりません。しかし、会社側が103万円を超えてしまうと扶養手当てを削ってしまうこともあります。また、社会保険の130万円基準も影響して未だに、収入を103万円未満に抑える主婦の人はかなりいます。

 

 

最低賃金が毎年上がるため、103万円の壁は労働時間の短縮をまねいています。人手不足が深刻な中小企業では、人材確保をよりしなくてはならないのが大きな問題です。

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