2020年3月30日 3:10 pm

いったいコロナウィルス感染はどこまで広がるのでしょうか?終息の気配さえ見えません。

牧会計事務所 所長の牧です。

コロナウィルスの感染を防止するため、アーティストのライブやスポーツイベントの中止が相次いでいます。出張の見合わせや歓送迎会の中止、人が集まるということで結婚式まで延期にする事態にもなっています。

 

イベント業、旅行業や飲食業の売上落ち込みは想像を絶するもので、会社の存続も脅かされる状況です。とにかく早くコロナウィルスを終息させなければなりません。

 

さて、これらの予約をキャンセルした場合のキャンセル料が消費税法上どのような取り扱いになるのでしょうか。

 

キャンセル料が損害賠償金としての性格のものか、事務手数料等としての性格のものなのかによって取り扱いが異なります。

 

送別会開催のために予約していた会場をキャンセルした場合に支払った”会場使用料の50%のキャンセル料”の取り扱いは課税仕入れになりません。

 

それは、会場を貸す側にとって本来得ることができた利益を補填するための費用で、資産の譲渡や役務の提供の対価ではなく損害賠償金に当たります。貸す側が課税対象にならないため、支払い側も課税仕入れにはなりません。

 

出張に先だって購入していた航空券代をキャンセルした場合に支払った払戻手数料は、航空会社が払戻しの事務手続きという役務の提供を行うための対価に当たります。航空会社では課税売上にするため、支払い側も課税仕入れになります。

 

この場合課税仕入れを計上する時期は、払戻手数料を支払った日の属する課税期間です。

 

航空券の搭乗日が翌課税期間であったとしても、当課税期間にキャンセルして払戻手数料を支払ったのであれば当課税期間の課税仕入れになります。

 

損害賠償金にあたるか事務手数料にあたるかは、判断が難しいケースもありますので気を付けてください。

 

コピー機などのリース契約をしていたものが新機種のコピー機をリースにより導入することになったため、リース期間満了前ではありましたが、リース会社と合意のうえ既存のリース契約を解約することになりました。この場合はリース解約違約金が発生します。言葉の意味からすると損害賠償金のような気がします。

しかし、リース会社との間で合意のうえ解約したことによる解約損害金ですので解約までのリース期間のリース料の増額分と考えられ、対価性が認められるため消費税は課税対象となります。

 

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