今年は、新型コロナウイルス感染症の影響でプロ野球やゴルフの試合も激減しました。少ない試合ながらも、スポーツに飢えていたので楽しむことも出来ました。
競馬は、今G1レース真っ盛りです。12月27日日曜の有馬記念まで楽しみなレースが続きます。今年は、無敗の3冠馬が牡馬と牝馬の両方で誕生しました。牡馬はコントレイル、牝馬はデアリングタクトです。これからの活躍が楽しみです。
牧会計事務所 所長の牧です。
以前に、はずれ馬券訴訟についてブログに書いたことがあります。営利を目的とする継続的行為から生じた所得は、一時所得ではなく雑所得になり、購入したはずれ馬券のすべてが経費と認められました。
東京地方裁判所は、個人がインターネットを介して参加したスポーツの試合に係る賭けの的中で得た払戻金は雑所得ではなく、一時所得に該当するため総収入金額からはずれ掛け金は控除できないと決定処分しました。
具体的には、会社員Aは給与所得者です。Aは、海外の複数の賭け業者(ブックメーカー)が主催するスポーツの試合に係る賭けにインターネットを介して参加し、その賭けの的中により払戻金の支払いを平成24年から平成27年まで受けていました。
平成24年から平成27年までの4年間で
賭け金総額24・97億円 払戻金 24・19億円 的中の賭け金総額 13・91億円 損益総額 △7800万円 払戻金から的中の賭け金総額を引いた金額は10・28億円でした。
税務署は一時所得であるとして、Aの4年間の所得は、払戻金から的中の賭け金総額を引いた金額の10・28億円に対して課税しました。
賭け金総額が認められ、雑所得になれば、△7800万円になるので申告すら必要ではなかったのです。
これはどのような判断だったのでしょうか?
単に賭けを大量にかつ継続的に行うだけではなく、回収率が100%を超え年間を通じて収支で利益を得られなければなりません。偶発的、単発的な利益の積み重ねだけではなく、営利を目的とする継続的行為から生じた所得でなければ雑所得として認められないということです。
回収率が100%を下回り、年間を通じての収支が得られない場合には、はずれ賭け金が経費として認められる雑所得にはならないという結論です。
恐ろしい話ですね。Aには所得税だけで、2憶1000万円。無申告加算税等で3700万円、住民税を含めると約5億円の税金が課せらます。実質的に、賭けで7000万円損して、5億円の税金を支払わなければならないのです。
競馬などのギャンブルに多額の資金を投入することは大変危険です。少額な資金で楽しむくらいが良いのかもしれませんね。