2021年2月17日 10:31 am

牧会計事務所 所長の牧です。

 

今年も確定申告が始まりました。職員が仕上げた確定申告をひたすらチェックしています。この時期になると電卓が異常に速く打てるようになります。神経も研ぎ澄まされてくるので作業速度も速くなります。

確定申告の税務処理で、頭を悩ませるうちのひとつに修繕費になるかならないかの判断があります。

 

なぜなら、税法では修繕費の規定がおおまか過ぎて、個別に判断をしなくてはならないのです。

 

以下のように税法では説明しています。

 

1 資本支出になる場合(修繕費にならない場合)

 

その有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となるのであるから、例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する

 

(1) 建物の避難階段の取付等物理的に付加した部分に係る費用の額

(2) 用途変更のための模様替え等改造又は改装に直接要した費用の額

(3) 機械の部分品を特に品質又は性能の高いものに取り替えた場合のその取替えに要した費用の額のうち通常の取替えの場合にその取替えに要すると認められる費用の額を超える部分の金額

これだけではよく分かりません。

 

一方、修繕費は次のように規定しています。

その有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため又は、き損した固定資産につきその原状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となります。

 

 これも大まかすぎて、分かりません。

 

形式基準の判定もあります。

 

一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理をすることができるものとする。

 

(1) その金額が60万円に満たない場合

(2) その金額がその修理、改良等に係る固定資産の前期末における取得価額のおおむね10%相当額以下である場合

 

このような判断基準があるにもかかわらず、60万円未満でも修繕費にならない場合もあります。明らかに資本的支出の場合です。

 

ドアが壊れたので、今よりも防犯機能が充実した豪華なドアに替えた場合は60万円未満でも修繕費にならない可能性があります。

 

そうなると個別で判断するしかありません。

 

次の場合は基本的に修繕費になります。

 

①屋根、外壁の塗り替え工事

②屋上の防水工事

③壊れたものと同じものの取り換え工事

などです。

 

 

修繕費の判断で困った場合は、牧会計事務所までご相談をお願い致します。

 

 

 

 

 

 

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