2021年3月4日 7:39 pm

愛知県の緊急事態宣言が、2月末をもってようやく解除されました。しかし、首都圏に発令されている緊急事態宣言は、リバウンドや第4波の懸念から、どうやら2週間ほど延長されるようです。ワクチンの接種が、医療従事者から順番に始まっておりますが、まだまだ気を引き締めて感染対策を行っていかなければなりません。

 

2月に、東北地方でまた震度6強の地震が起きたり栃木県では大規模な山火事が発生したりと、災害のニュースが多く流れてきている状況で、起きてほしくはないですが、自分の身にこのような災害が起きてしまった場合に、会社の申告期限等が直近である場合については、どのような措置があるのでしょうか。今回は災害時の会社における申告期限の延長についてご紹介いたします。

 

国税通則法11条において、「災害など納税者の責めに帰さないやむを得ない理由により、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の提出又は納付等の期限までに、これらの行為をすることができないと認められるときは、その理由がやんだ日から2か月以内に限り、その期限が延長されます。」と国税庁のホームページ(注1)にて説明があります。また、国税通則法施行令第3条では1~3項において、①地域指定による期限延長、②個別指定による延長、③対象者指定による期限延長という3つ場合分けがされております。

わかりやすい例で申し上げますと、①については、長野県の千曲川の氾濫により新幹線が冠水被害を受けた映像が記憶に新しいと思いますが、令和元年に発生した台風19号により被害を受けた地域で、こちらは、岩手県、宮城県、福島県、茨木県、栃木県、長野県の一部の地域が、申告期限等の延長がされました。②については、①の地域指定から漏れた方によるものであり、この場合には自分で申請しなければなりませんが、申請が通れば申告期限の延長が認められます。そして、③については、現在のコロナウイルスによる確定申告の延長がこれに該当します。

この「理由がやんだ日」というのがあいまいではありますが、「特別な事情がある場合を除き、客観的に見て、個別指定の期限延長の申請をした人が、税務上の申告・納付等をするのに差し支えないと認められる程度の状態になった日のことです。例としては、①災害により直接被災した場合は、災害が引き続き発生するおそれがなくなり、その復旧に着手できる状態になった日、②交通の途絶があった場合には、交通機関が運行を始めた日」という内容(注2)の記載があります。要するに、人的な安全性が確保されたらということでしょうか。

 

以上のように、災害が起きた場合に、まずは皆様自身の安全の確保が最優先、そして、申告等につきましては落ち着いてからでいいですよ。ということのようですね。

ご拝読、ありがとうございました。神尾

 

注1 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/saigai/8001.htm

注2 http://tax.gyosei.jp/term/post-2.html

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