2021年3月4日 10:00 am

3月に入り、桜のつぼみも大きくなっています。

確実に春がやってきていると感じます。

名古屋市名東区、牧会計事務所の佐藤です。

 

確定申告シーズンの真っ只中ですが、ふるさと納税をおこなっている方が多いと感じます。

また、NPO等への寄付をおこなっている方も少なくありません。

個人の方(個人事業主の方)の「寄付金」に対する関心が増している中、

法人が行う寄付行為はあまり多くはないという印象を受けます。

 

そこで今回は法人が行う寄付について紹介します。

 

寄付金の取り扱いは、個人と法人で大きく異なります。

 

【法人の寄付金に対する取り扱い】

・国や地方公共団体への寄附金、指定寄附金はその全額が損金

 

・特定公益増進法人、認定NPO法人等に対する寄附金

一部を損金(経費)にできます。次のいずれか少ない方を損金にすることが出来ます。

(1)特定公益増進法人に対する寄附金の合計額
(2)特別損金算入限度額〔資本金等の額 ×12分の当期の月数×1000分の3.75+ 所得の金額 ×100分の6.25〕×2分の1

注:特定公益増進法人に対する寄附金のうち損金に算入されなかった金額は、一般の寄附金の額に含めます。

 

・一般の寄附金の損金算入限度額

〔資本金等の額 ×12分の当期の月数×1000分の2.5+所得の金額×100分の2.5〕×4分の1=〔損金算入限度額〕

注:所得の金額は、支出した寄附金の額を損金に算入しないものとして計算します。

 

法人が寄付行為を行うとき、国や地方公共団体等以外に対しては、

損金に算入できる額は資本金と所得の金額に大きく左右されます。

 

(例1)

資本金300万円、所得300万円の法人の場合

一般寄付金の損金算入限度額=20,625円

認定NPO法人等に対する限度額=99,375円

合計120,000円

 

(例2)

資本金500万円、所得0円の法人の場合

一般寄付金の損金算入限度額=3,125円

認定NPO法人等に対する限度額=9,375円

合計12,500円

 

(例3)

資本金1円、所得500万円の法人の場合

一般寄付金の損金算入限度額=31,250円

認定NPO法人等に対する限度額=156,250円

合計187,500円

 

寄付金の損金算入限度額は、資本金と所得によりますが、

所得金額に寄るところの方が大きいとお分かりいただけると思います。

寄附金を損金に算入するには、確定申告書にその金額を記載し、寄附金の明細書など所定の書類を添付するとともに、所定の書類を保存している必要があります。

 

また、法人が地域再生法における認定地方公共団体が行う「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に関連する寄附金(特定寄附金)を支出した場合には、

法人住民税及び法人事業税において税額控除を受けることができます。
法人住民税からの控除税額が一定の金額に満たない場合、青色申告書を提出する法人については、法人税の確定申告書等に所定の書類を添付し、所定の書類を保存することにより法人税において税額控除を受けることができます。

 

今年は利益が多く出ると予想される企業は、

寄付金を活用し社会貢献する事も選択肢かもしれません。

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