新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が加速的に増えています。私も7月4日に一回目のワクチン接種を受けました。確実に感染者の数は減っていくのに、東京だけは増え続けています。東京はまたまた非常事態宣言に入ってしまいました。
新型コロナウイルス感染症拡大による時短営業や外出自粛要請、大人数での会食減少などで、例年通りの売り上げ確保が難しい外食産業。影響は連鎖的に関連産業にも広がり、居酒屋をはじめ飲食店向けに食材などを納入する企業では、業績悪化が深刻化しています。
居酒屋やレストランなど、飲食店を主力得意先とする食材納入企業の2020年度業績は、前年度から減収となる企業は8割を超えたそうです。
このうち2割以上の減収となる企業が3割を占め、減収となる企業の売り上げ落ち込み幅は前年度から平均14%の減少となりました。
一方で、コロナ渦で需要を捉えて業績を伸ばす、弁当や総菜などテイクアウト業態向けを中心とする食材納入企業の業績は苦境から脱しつつあります。
テイクアウト店を取引の主力とする企業のうち減収企業の割合は約74%で、飲食店向けに比べて約7ポイント低い数字になりました。売り上げの減少幅も前年度から平均9%減少にとどまっていて、飲食店の業態によって納入企業の業績に明暗が分かる結果となりました。
最も減少幅が大きかったのが、バー、スナックを主力得意先とする納入企業で、前年度からの平均売上は、18%減少、次いで料亭16%、居酒屋15%向けとなっています。
飲食店よりももっと深刻な産業は、結婚式場業者です。
結婚式場業者の2019年度の前年度からの減収企業比率は29%でしたが2020年度は96%になり、ほとんどの業者が減収となりました。新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の動きから昨年3月以降、挙式の延期や中止が相次いだことから、収入高に大きな打撃を与えました。
前年度比減収幅が20~30%未満が53%、10~20未満と30~40%未満が14%となり、減少幅が最も小さい企業で前年度比5%、減少幅が最も大きい企業で99%となっています。
結婚式場業者は今後1年は厳しい状況が続くと予想され、経営環境が好転する可能性は低いでしょう。少子化や晩婚化、婚礼トレンドの変化もあり、こうした状況が続くことになれば、業績悪化のみならず、経営者の事業継続意欲も減退して、廃業や倒産が増加する可能性もあると言えるでしょう。
この状況を打開するため、少人数向けのプランや写真撮影のみの受注をきっかけに挙式・披露宴の提案につなげるなど、従来行ってこなかった挙式・披露宴以外のさまざまな取り組みに着手する動きがあります。
頑張ってこの苦境を乗り切ってもらいたいと思います。