2021年11月18日 12:25 am

朝夕は段々と寒くなってきて暖房器具が欠かせないようになりました。

 

牧会計事務所 所長の牧です。

 

会計検査院は、取引先の倒産に伴う連鎖倒産等を防止を目的とする”中小企業倒産防止共済制度”の特例適用に係る個人の手続きについて、国税庁に対して改善処理を要求しました。

 

個人の確定申告で、倒産防止共済掛金を経費として申告するには明細書の添付が必要にもかかわらず、国税庁は40年以上もその明細書の書式を作成せずに申告者に税制の優遇を受けさせていたということです。

 

中小企業倒産防止共済制度とは、中小企業基盤整備機構が運営する共済制度で、個人や法人は拠出した掛金に応じて、取引先が倒産した場合には、無担保で掛金の最高10倍まで借り入れが出来ます。

 

納付した掛金は(月額最高で20万円)必要経費又は損金算入ができる特例が設けられていて、確定申告書に必要経費に関する明細書の添付がない場合には適用できないこととなっています。

 

また、共済契約を解約した場合には、解約者に対して解約手当金が支給されます。40カ月以上積立ている場合は、掛金は減額されることことはなく全額払戻しされます。この場合の解約返戻金は総収入金額又は益金の額に算入されます。

 

今回の書類不備問題は、個人の確定申告だけです。法人の申告では適用に必要な明細書は、別表10の7があります。

 

社会保険診療報酬に係る損金算入、農地所有適格法人の肉用牛の売却に係る所得又は連結所得の特別控除及び特定の基金に対する負担金等の損金算入に関する明細書

に必要事項を記入して、さらに適用額明細書に記入して適用を受けることが出来ます。

 

所得税の申告では、法令等で様式の定めがありませんでした。適用するには、収支内訳書や中小機構の明細書を用いるなど様式や記載事項が統一されておらず、拠出の事実が客観的にわかる記載と拠出額が他の必要経費と明確に区分できる記載がある場合に、明細書の添付と適用の意思表示に必要な記載があるものとみなして、適用の有無が判断されてきました。

 

当事務所では、確定申告書には以下の書類を添付していました。

       中小企業倒産防止共済掛金の必要経費算入に関する明細書
租税特別措置法第28条第1項第2号の規定に基づき、必要経費に算入
する中小企業倒産防止共済契約に係る掛金は次のとおりです。
事業所名
住所
基金に係る法人名 独立行政法人中小企業基盤整備機構
基金の名称 中小企業倒産防止共済事業
当年に支出した掛金の額 ①             円
同上のうち必要経費に算入した額 ②             円

 

今までは、この明細書の添付で問題ありません。

 

これからは、新たな様式として”特定の基金に対する負担金等の必要経費算入に関する明細書”

を定めたほか、改善が未処置の解約手当金の収入計上についても、適用の流れを示した手引き等を本年12月中にまとめるなどし、納税者等に適切な処理を周知していくとのことです。

 

 

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