あと1週間ほどで令和3年が終わろうとしています。早いですね。今年も「もう~、い~くつ寝ると~♪」って、もう正月じゃん‼、……というオチになりそうな気がします。
業界的には通常の帳簿整理に加えて年末調整の作業がありますので、「師」走ならぬ「士」走の時期となっております。私自身の体感的にもまだ12月上旬の感覚でしたが、もう明日はクリスマス・イヴです。インターネットの記事で、親御さんが子供に対して、「コロナでサンタさんがたくさん死んじゃってるから、よっぽどいい子にしていないとサンタさんが来ないよ‼‼」と教え込んでるという記事を見て一笑いしました。サンタさん側もプレゼントの確保で今年は大変だとは思いますが、コロナウイルスも使いようですね。(笑)
いつも世話になっております。牧会計事務所の神尾です。
本日は、令和4年1月1日から義務化される………はずだった制度をご紹介致します。令和3年の税制改正で電子帳簿保存法というものが改正されました。電子帳簿保存法を超簡単にご説明すると、「今まで原則紙ベースでの保存が義務づけられていた帳簿書類について、一定の要件を満たせば電子データによる保存を認めますよ~。」というものです。会計ソフトやスキャナーなどを利用して行っていくもので、令和3年改正で簡素化されたのですが、「一定の要件」という部分が何かと面倒なので、電子帳簿保存等をお考えのお客様は、ご相談しながら一緒に進めていきたいというのが本音ではあります。
さて、本題に参りたいと思います。令和4年1月1日から義務化されるはずだった制度とは、電子帳簿保存法第7条に規定されておりまして、インターネットや電子メールなどで行われた電子取引について、その取引情報を電磁的記録により保存しなければならないという規定です。今までは、取引情報が記載された電磁的記録を紙に印刷したものを保存しておけばよかったのですが、その規定が廃止されたのです。
わかりやすい例で例えますと、アマゾンで消耗品を購入した場合に、今までは商品が届いた後に送られてくる電子メールに添付された請求書や領収書を紙で印刷保管しておけばよかったのですが、来年の1月1日からは電子メールに添付された電子データ自体を自社のパソコンやサーバーで保存しなければならなくなりました。
ですが、………この義務規定が2年間延長されました。
私見にはなりますが、………この義務規定、税務署があら探しをし易くするための規定に思えてなりません。なので、延長にはなりますが、この規定を見据えて対応できるようにすることをおススメいたします。
それでは、まず、保存すべき電子データは何ぞや?ということですが、これは紙ベースで取引を行っていた場合に保存が必要な情報が含まれるデータで、請求書、領収書、契約書、見積書などとなります。これは受け取る側だけではなく送る側も保存が必要なので、ご注意ください。
次に保存の仕方ですが、保存の方法につきましては、検索ができるように検索簿を作成したり、フォルダを作成して保管することが例として挙がってます。また国税庁のホームページでは、「取引に関する日付、金額、取引先」が検索できるよう例示されておりますが、PDFファイル等で保存するのが良いかと考えます。国税庁のホームページで「電子帳簿保存法」関連するパンフレットがありますので、ご参照ください。いずれにしても、税務調査の時に、「この取引データを見せてください。」と言われたときに、パッと見せれるような形にしておけば大丈夫です。
そして、改ざん防止のための措置をとることも求められております。こちらも国税庁のホームページに「改ざん防止のための事務処理規定」のサンプルがございますので、そちらを加筆修正して利用していただければと考えます。
以上が、電子取引データの保存方法に関する改正点の簡単なご説明でした。原則、電子データによる保存が義務でけられる予定なので、電子データが無くなってしまい、紙ベースの書類が残っている場合でも帳簿書類として認められない可能性もございます。また、電子取引に関する保存規定に対し、最も重い処罰が青色申告の承認の取消しとなります。2年間延長されましたが、ネットやメールを利用した取引を行った場合には、その都度、ファイル保存を行う習慣づけするように対応することが良いかと考えます。
パソコンが苦手なお客様におかれましては、大変面倒な規定となりますが、ご対応宜しくお願い申し上げます。
最後に、国税庁のホームページの該当部分をリンク付けしておきますので、良ければご参照ください。ご拝読ありがとうございました。
「電子取引データの保存方法をご確認ください。」 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/sonota/0021011-068.pdf
「電子帳簿保存法Q&A 一問一答」 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/pdf/0021006-031_03.pdf
「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」法人と個人事業主 https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/0021006-031.htm