2022年1月19日 2:08 pm

年末調整もほとんど完了しつつあります。源泉所得税の納付もすべて完了した報告を受けました。後は、税務署に法定調書合計表と市町村に源泉徴収票と総括表を提出するだけになりました。

 

牧会計事務所 所長の牧です。

 

今年はこの作業が非常に楽になりました。今までは、税務署、市町村に提出する書類等は提出者の押印が必要でしたが令和3年税制改正により、令和3年4月1日以降、次の書類を除いて押印が廃止になったからです。

今までは、押印だけのために郵送でやりとりしたり、顧問先まで行かなくてはなりませんでした。さらに、すべての書類に税理士の印鑑を押さなければならず、この作業もなかな面倒くさいものでした。

 

引き続き押印が必要な書類

1.担保提供書類等

納税保証書や抵当権設定登記承諾書は、土地等を担保提供する場合又は第三者が納税保証を行う場合に、保証人や担保提供者の真意を確かめるため、押印とその押印の印鑑証明書の添付が必要になります。

 

2.遺産分割協議書

相続税又は贈与税の特例の適用を受ける際に添付する遺産分割協議書は、当事者の財産の取得状況を証するため、押印があるものの写しとその押印の印鑑証明書の添付が必要になります。

 

3.開示請求等委任状

任意代理人の資格を証明する委任状については、その真正性を確認するため、委任者の実印を押印することとした上で印鑑証明書の添付、又は委任者の本人確認書類の写しが必要になります。

 

4.振替依頼書等

ネット銀行等の金融機関では、届出印が必要でないところが増えていますが、国税の振替納税等では利用できない場合が多いため、振替依頼書等に金融機関の届出印を押印することになります。

 

本人による押印した書類は、本人の意思に基づくものとして真正性が確保されますが、押印がない書類は本人の意思に基づいているかどうか真正性は保たれるのでしょうか?第三者が勝手に申告書を提出することも可能になってしまいます。

 

特に相続税の申告は問題が起こるのではないか心配です。相続税申告は通常、相続人全員で1つの申告書に連名と押印をして提出しますが、相続人全員が共同で申告しなければならないという決まりはありません。

相続人間で揉め事が発生した場合は押印をしなければ、ひとつの申告書を連名で申告をしなくて単独で申告をすることも可能です。

 

しかし、押印が廃止になるとひとりの相続人が1つの申告書で他の相続人の申告を勝手にすることも可能になってしまいます。このことで後々トラブルに発展する可能性もあります。

押印廃止は始まったばかりですが、何か問題がでるかもしれません。

 

 

 

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