2022年8月24日 11:55 pm

お盆休みも終わり、普通の生活に慣れてきましたか? まだまだ暑いので体調管理には気をつけてください。

 

牧会計事務所 所長の牧です。

 

国税庁は雑所得に係る所得税基本通達改正のパブリック・コメントの募集を開始しました。改正案では、副業収入等について、”事業所得”と”雑所得(業務に係る雑所得)”の判定基準などが示されました。

 

副業収入が300万円以下の場合には、雑所得に該当することになるようです。それにより、今まで副業収入を事業所得で申告して青色申告特別控除を適用するケースが封じられます。令和4年分以後の所得税に適用される予定です。

 

雑所得は、”公的年金等に係る雑所得”、”業務に係る雑所得”、”その他雑所得”の3つに区分されます。今回の改正で明確されたのは以下の通りです。

 

① 譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生ずる所得とは、暗号資産取引による所得が該当しますが、これらの区分は”その他雑所得”になります。

② ”業務に係る雑所得”の範囲には、デジタルコンテンツの販売による所得など、”営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得が含まれることが明確化されました。

 

③ さらに改正案では、”事業所得”と雑所得(業務に係る雑所得)の判定基準も示されました。いずれかに該当するかは、その所得を得るための活動が、社会通念上事業と称する程度で行っているかどうかで判定されるようです。

 

税務ではよく”社会通念上”という言葉が使われます。例えば、顧客様に支払うお祝い金や香典はいくらまでが経費として認められるかの判断です。この時に社会通念上という判断になるのですが、1万円、3万円、5万円、10万円など付き合いの程度によって金額は変わるのでなかなか判断が難しいです。ですから、社会通念上とはある程度の許容範囲があっても仕方ないものだと思います。

 

 

④ ”事業所得と雑所得(業務に係る雑所得)の判断は、社会通念上が原則ですが、例外的に”その所得がその者の主たる所得でなく、かつ、その所得の収入金額が300万円を超えない場合”には、特に反証のない限り、”業務に係る雑所得”に該当することなるようです。

つまり、改正後は、収入金額が300万円以下の副業に係る所得は、”雑所得(業務に係る雑所得)に該当することになります。

事業所得での申告による”青色申告特別控除の適用”や”損失が生じた場合の給与所得との損益通算”などは行えなくなります。

今まで、事業所得で申告していた人は、令和4年分の所得税の申告から雑所得で申告をしなくてはなりません。気をつけてください。

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