2022年9月22日 2:48 am

台風14号はものすごい勢力を保ったまま九州に上陸して、日本列島を横断しました。台風で被害に遭われた方にお悔み申し上げます。

 

牧会計事務所 所長の牧です。

 

税務署員のほとんどは7月に移動します。税務署の事務年度は7月から翌年の6月までとなります。従って移動で忙しい7月の税務調査はほとんどありません。移動が完了して落ち着いた8月後半から11月までが税務調査の最盛期になります。昨年までは、新型コロナウイルス感染症の影響で人と接しなければ出来ない税務調査は自粛されていました。

 

今年は自粛も解除されているので税務調査はかなり増えると思います。

我々税理士にとって決算で忙しい時期に、税務調査で日数を取られるのは仕方ないと分かっていても大変苦痛です。税務調査の割合は、法人税が圧倒的多く8割、所得税が1.5割、相続税が0.5割くらいでしょうか。当事務所では法人税の税務調査が年に10数件、所得税が2~3件、相続税は2~3年に1件くらいです。

法人税の税務調査は周期的に3年~5年くらいで行われることが多く、所得税は所得が多い事業者か何か事情がある場合(得意先の税務調査により不適切な取引が判明される場合等、いわゆる反面調査)などの理由が多く、相続税は相続財産が大きければ大きいほど税務調査の確率は高くなります。

 

今回は相続税の税務調査について話します。

 

相続税は実地調査以外に書面・電話による来署依頼などの簡易な調査があります。コロナ前は、実地調査が約10,000件、簡易調査は約9,000件でしたが、コロナの影響で2020年度(20年7月~21年6月)は実地調査が約5,000件、簡易調査は約14,000件となりました。

 

税務調査された件数は、課税資産が7億円以上ですと40.3%、5億円~7億円は35.2%、3億円~5億円は32.2%となり、課税資産が大きければ大きいほど税務調査が行われる結果になっています。課税資産が5,000万円未満では0.4%しかなくほとんど税務調査はありません。相続税の税務調査は富裕層に絞って行われるようです。

相続税調査で厳しく調べられのは、家族の名義預金です。夫婦間でお互いの財産の線引きがあやふやになっている場合や、夫の相続発生時点で妻名義の預金口座に大きな金額が残っていると税務調査で追及されやすいです。特に妻が専業主婦で夫から毎月生活費をもらい、やりくり上手で残ったお金を妻名義の預金で貯めているケースは注意が必要です。

 

コツコツ貯めた預金の財産は、税務調査では妻の財産でなく夫の財産になってしまいます。

 

 暦年贈与の枠内で、毎年110万円を子どもや孫名義で預金をしていても、通帳を親が管理していると名義預金と指摘され、親の預金とみなされます。きちんとした手順を踏んで暦年贈与をしなくてはなりません。

 

 

 

 

 

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