2022年10月20日 2:26 am

10月も中旬になりました。ようやく気候が良い日が続いています。

 

牧会計事務所 所長の牧です。

 

最近、中小企業でも多額の設備投資をする場合の資金調達で、シンジケートローンを使うケースがあります。シンジケートローンとは、借入先の資金調達ニーズに対して、アレンジャー(窓口)が複数の金融機関を取りまとめてシンジケート団を結成して、ひとつの契約書に基づいて貸し出しを行う融資形態です。

シンジケートローンのメリット

 

①色々な金融機関との交渉負担がなくなる。

②融資金利、返済期間などの条件が均一で出来る。

③シンジケートローンを通じて新たな取引金融機関の開拓が出来る。

④銀行取引が安定する。

⑤多額の資金を借り入れ出来る可能性がある。

 

シンジケートローンのデメリット

 

①契約までに詳細な事業計画が求められる。

②さまざまな手数料が発生する。

③規約違反時のペナルティが厳しい

④高い信用性が必要になる。

上記のさまざま手数料を説明します。

 

金利とは別に以下の手数料がかかります。

①アレンジメントフィー

契約条件の検討、シンジケート団を構成する貸付人となる金融機関の募集、契約締結手続きを行うアレンジャー(窓口)に対する手数料です。

アレンジメントフィーは、シンジケートローンに係る調印までの、マーケットの調査、契約条件のとりまとめ、契約書の作成、招集金融機関との交渉などの実務全般を行ったことに対する対価であることから債務が確定しています。アレンジャーは役務の提供が完了しているため、アレンジメントフィーは支出した事業年度に全額を損金に算入することができます。

 

②エージェントフィー

各貸付人の代理人となり、契約期間中の借入人や貸付人の通知の取次や元利金の受払等の資金決済に係る事務手続きを行うエージェントに対する手数料です。

通常は、融資契約締結後は、アレンジャーがエージェントになることが多いです。

 

エージェントフィーは、貸付人の委託に基づき代理人として、貸付・元利金・手数料等の資金決済業務、借入人や貸付人への通知、貸付人の意思締結、債権又は地位の譲渡に関連する事務手続きその他のエージェント業務を行うことから、その役務の提供はシンジケートローンの借入期間に及びます。

エージェントフィーはそのシンジケートローンの借入期間に応じて費用に計上することが相当であるから、エージェントフィーが一時金として支払われたとしても期間案分して、翌事業年度以後の借入期間に対応する部分は前払費用に計上し、当事業年度には全額損金算入することは出来ません。

 

 

 

 

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