2022年11月18日 3:32 am

11月も半ばになりましたが、まだまだ暖かい日が続いています。紅葉も見頃になってきました。

牧会計事務所 所長の牧です。

 

国税庁が、副業収入の所得区分等に関する”所得税基本通達の制定について”一部改正を公表しました。

副業収入300万円以下の場合は”雑所得(業務に係る雑所得)に該当する旨が示されましたが、問題意見が多数寄せられました。今回公表された改正通達では、同内容が削除された上で、”その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存”がある場合には、事業所所得に該当する旨が示されました。

 

ただし、事業所得への該当は、”社会通念”で判断することが原則であるほか、帳簿書類の保存等がある場合でも、例年赤字など営利性が認められない場合等は雑所得に該当します。

 

事業所得への該当性は、”社会通念上事業と称するに至る程度”とまた厄介な判断になりました。具体的には、①営利性・有償性の有無 ②継続性・反復性の有無 ③自己の危険と計算における企画遂行性の有無 ④その取引に費やした精神的あるいは肉体的労力の有無 ⑤人的・物的設備の有無 ⑥その取引目的、その者の職歴・社会的地位・生活状況などの諸点を総合勘案して判定する

 

ますます分からなくなります。

早い話、300万円以下の場合は、”いろいろな角度からみて文句をつけますよ”という意味でしょうね。

 

”その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存”があれば事業所得に該当するという内容も、これも社会通念上で判断するとのことです。帳簿書類だけを備えただけではだめですということになります。

 

このことについては、国税庁は少し明確化しました。以下の場合は雑所得になります。

 

①その所得の収入金額が僅少と認められる場合

その所得の収入金額が、例年(概ね3年程度の期間)、300万円以下で主たる収入の割合が10%未満の場合

 

②その所得を得る活動に営利性が認められない場合

その所得が例年赤字で、かつ、赤字を解消するための取り組みを実施していない場合。つまり、事業は利益を追求するものであり、赤字の場合は黒字にするため、収入を増加させるために営業活動をするはずである。赤字でも平気でやるのは、事業ではなく趣味の世界だからでしょということです。これは、当然の話です。

国税庁の今回の見直しは、事業的規模といえない副業収入等を赤字の事業所得として申告し、給与所得等と損益通算する節税スキームを封じるために行うことになります。

副業を事業所得として損益通算する場合は気をつけてください。

 

国税庁の今回の見直しは、事業的規模とはいえない副業収入等を赤字の事業所得として申告し、給与所得等と損益通算する節税スキームを封じるために行うのものです。

 

 

 

 

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