2023年3月2日 2:24 pm

3月に入りました。季節は、確実に春に向かっていますが朝夕はまだまだ寒い日があります。花粉も多く飛んでいるようですので影響を受ける方は対策をして乗り切りましょう。

 

 

 

 

 

 

牧会計事務所 所長の牧です。

 

前回のブログでデジタル財産についての話をしましたが、もう少し詳しく話をさせて頂きます。

 

メタバースとは、多人数が参加可能で、参加者がアバターを操作して自由に行動ができ、他の参加者と交流ができるインターネット上に構築される仮想の三次元空間をいいます。

メタバースの中で、ひとつの経済圏が構成され、メタバース内で所有・投資・販売・報酬を得ることができます。税務上はこの経済活動から生じる所得や財産をどのように課税するかが問題になります。

メタバース内で取引をした場合、所得税、法人税、住民税、消費税の申告が必要になります。また、メタバース内で資産を相続・贈与をした場合には、相続税や贈与税の対象になります。

 

課税の問題

 

1.メタバース内の土地を売却した場合、不動産の譲渡所得として分離課税の対象になるか否かが問題になります。租税特別措置法には分離課税の対象となる土地についての定義はありません。民法上は、物である土地は有体物であるとされています。従って、メタバース内の土地は有体物でない土地であることから税務上は土地には該当しなくなります。

従って、その売却により得られた所得は、分離課税とされず、総合の譲渡所得、事業所得、雑所得にのいずれかに区分されることになりそうです。

 

 

 

 

 

2.メタバース内の不動産を貸し付けた場合は、有体物ではないので不動産に該当しないため雑所得(事業性が認められれば事業所得)に区分されそうです。雑所得に区分されれば、損失がでた場合には他の所得と損益通算は出来なくなります。

 

 

3.有体物ではないメタバース内の土地は、税務上は土地には該当しないため繰延資産として償却することができそうです。土地は本来、減価償却資産でないため償却することが出来ません。メタバース内の土地は減価償却資産に該当しないため減価償却は出来ませんが、繰延資産として支出の効果が及ぶ期間で償却することは考えられます。

 

4.メタバース内の土地の譲渡や貸付は、消費税の非課税取引にあたらず、課税取引に該当することになります。

 

5.メタバース内の土地をもらった場合、その土地が金銭で見積もることができる場合は、他の財産の取得と合わせて110万円を超えるときは贈与税の申告が必要になります。その土地の評価方法は、”評価方法の定めのない財産の評価”に基づいて、売買事例価額・精通者意見価格等を参酌してその評価額を定めこととなります。

 

5.金銭で見積もることができる経済的価値のあるメタバース内の土地やアイテムは相続税の対象となります。その評価方法は贈与税と同じになるでしょう。

 

デジタル財産の課税関係は、今後もっと細かく確立されていくのではないでしょうか?

 

 

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