2023年4月5日 4:33 pm

桜の見ごろが終わると、いよいよヒノキ花粉が最盛期を迎えます。私は、スギ花粉の舌下免疫療法をしているのでスギ花粉のアレルギー反応はほとんどなくなったのですが、ヒノキ花粉には反応してしまいます。ゴールデンウイーク前までのあとひと月は我慢しなくてはなりません。

 

 

 

 

 

 

牧会計事務所 所長の牧です。

 

夫が亡くなった奥様より依頼を受けて相続税の申告をしました。ご夫婦には子供がおらず、亡くなられご主人は一人っ子でご両親もすでに亡くなられいたため、相続人は奥様ひとりで遺産分割の必要もなく申告自体は簡単に終わりました。

 

その奥様も一人っ子でご両親もすでに亡くなっているので、その奥様には相続人がいません。”私の相続財産はどうなるのでしょうか”と相談されましたが、最終的には国庫財産になるのでしょうとその時は回答しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

最近の少子高齢化や婚姻数の減少などにより、相続人がいないなどの理由で、国庫に入る相続財産が増え続けています。2021年度に相続人不在で国庫に入れられた相続財産は647億円で過去最高を記録しました。20年前は約107億円、10年前は約332億円だったため、20年間で6倍に増えた計算になります。

 

身寄りがない人が死亡し、財産の受け取り手が誰もいないケースでは、利害関係者か検察官の申し立てを受けて、家庭裁判所が相続財産管理人を選任することになります。選ばれた管理人は被相続人債権者に相続財産から弁済し、公共料金などを支払い、残りは国庫に納まります。これらの”相続人なき遺産”は少子高齢化の進行によって増加傾向にあります。

 

ただ相続人がいない状況で必ず国に財産が移るかというと、そうではありません。相続人がいない被相続人の財産は、被相続人と生計を一緒にしていた人や介護・看病をしていた人などの”特別縁故者”に該当する人であれば受け取れるためです。

代表的な特別縁故者は内縁の妻や夫で、裁判所に特別縁故者と認められれば財産を受け取ることができます。

 

ここ数年の婚姻数は毎年60万組ほどで推移していて、第一次ベビーブーム世代が結婚適齢期を迎えた1970年~74年の年間100万組と比べると未婚率は大幅に上がっています。配偶者や子どもがいなければ財産が国のものになる可能性が高くなり相続人なき遺産は増え続けるでしょう。

 

もし国に財産が渡るのが嫌なら、遺言の作成や養子縁組などで財産の引き受け手を事前に決めておくことが賢明です。

 

 

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