2023年7月14日 2:43 am

お世話になっております。牧会計事務所の神尾です。

連日の猛暑、豪雨、突風、と地球はどうなってしまうんだと考えてしまうような日々が続いています。先日も、顧問先のお客様の事務所で作業を行っていた際に、道を隔てた新規オープンのために工事中だったお店の敷地から、鉄製の組立看板が突風に煽られて飛んでしまい、駐車場に止まっていた無人の車に突き刺さっていました。風の流れによっては、顧問先の事務所に飛んできた可能性があり、とても怖い体験でした。樹木の倒壊や土砂崩れなどの報道もよくされていますので、悪天候の日はなるべく安全な場所にいるのがいいかもしれないですね。

 

インボイス制度の開始まで残り2カ月ちょっとですね。CMの影響が強いのか、インボイス制度と電子帳簿保存法がごちゃ混ぜで認識してる方もよくお見かけしますが、引き続きお客様に丁寧のご説明をしていきたいなと思います。

本日はインボイス制度における短期前払費用に関する留意点をご説明いたします。

まず、短期前払費用とは、前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち支出した事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。)の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、当該前払費用を損金の額に算入することを認めるというものであります(法基通2-2-14)。

わかりやすい例としては、1年分を前払いする事務所の家賃や機械等の保守料、野立て看板などの広告宣伝費などを想定していただければと考えます。

 

仮に事務所の家賃を想定していただいて、令和5年3月決算法人が1年分の家賃を3月に支払ったと仮定します。さて、このような短期前払費用を令和5年3月期の決算で仕入税額控除の適用を受けたものについて、令和5年4月期以降に貸主のインボイスの登録がされたかどうかが判明する、また、インボイス登録事業者から免税事業者に変更があった場合には、どのように処理するのでしょうか。

 

① 貸主がインボイス発行事業者である場合

現行制度と同様、その支出した日の属する課税期間に課税仕入れが行ったものとして取り扱います。これまでと何ら変わりはありません。支出した日の属する課税期間においてインボイスが交付されなくても、事後に交付されるインボイスを保存すれば事足ります。それぞれ支出した日の属する課税期間で仕入税額控除の適用を受けます。

 

② 貸主がインボイス発行事業者ではない、もしくはインボイス発行事業者から免税事業者に変更があった場合

短期前払費用の適用を受けた課税期間の翌課税期間以後に上記のような変更等があったことにより、仕入税額控除の対象とした支払対価の額に変更が生じた場合には、変更の事実が明らかになった課税期間において課税仕入れに係る消費税額を減額するなどの調整が必要になってきます。具体的には仕入対価の返還等を受けた場合と同様に、インボイスのない期間に係る課税仕入れ(発行事業者でない場合には10月以降、免税事業者に変更した場合にはインボイスの登録取消日以後の期間)について仕入対価の返還等で取り消す処理を行う。そのうえで、仕入れに係る経過措置(80%or50%)部分について仕入税額控除を行う。つまり、インボイス発行事業者でない、もしくは、免税事業者に変更した期間の仕入税額控除部分を翌課税期間で修正しなくてはいけないということです。

 

インボイス制度開始前に1年分払ってしまったから、仕入税額控除については大丈夫、ということではないようです。インボイス制度開始前に、いろいろと確認事項が多そうですね。10月以降の確認作業が増えることを考えると憂鬱です。「インボイス、やめっ。」ってなればいいんですが。

 

ご拝読ありがとうございました。

 

 

 

 

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