11月に入りましたが日中は暖かい日が続いています。早いもので今年も2ヶ月を切りました。忙しいですが、年末まで一気に頑張ろうと思います。
牧会計事務所 所長の牧です。
10月末締めの請求書が発送され、インボイスがいよいよ本格的に始まります。このひと月インボイスについて色々な相談がありました。インボイス未登録者に対しての8割控除、基準期間の売上が1億円以下の事業者に対しての1万円未満の課税仕入れのインボイスの保存必要なし、旅費交通費特例、適格簡易請求書等々、実務経験のない方々が法律を作るとどうしてこんなにも複雑になってしまうのでしょうか?我々専門家でも分かりづらいのに一般の事業者がすべて理解して間違いなくやれるとは到底思いません。もっと大まかで簡単にしてもらいたい。
仕入れ事業者等から購入業者に”振込手数料を差し引かずに振り込んでもらいたい”とお願いの連絡が頻繁に来るようになりました。その理由は”振込手数料にもインボイスの交付をしなければならないので”と書かれています。これは少々間違っています。処理の仕方でインボイスを交付しなくても良いやり方があります。というのは、振込手数料の取り扱いには3通りの方法があるからです。
1.振込手数料を売上対価の返還等とする場合
振込料を値引き処理すればインボイスの必要はなく、帳簿のみの保存で仕入れ税額控除の適用を受けることができます。このケースでは”インボイスを交付しなければならないので買手に振込料の負担をしてほしい”の理由にはなりません。
2.消費税法上”代金決済上の役務の提供”を受けた対価とするケース
買手から交付を受けた振込手数料相当額に係るインボイス及び帳簿を保存する。これはインボイスが必要になります。
3.消費税法上支払手数料とするケース
①金融機関の窓口で振込が行われた場合
金融機関から買手が交付を受けたインボイス(振込依頼書等)と買手が作成した立替金精算書等と帳簿を保存します。
②インターネットバンキングを利用して振込が行われた場合
①と同じになります。
③ATMを利用して振込が行われた場合
インボイスと立替金精算書等の保存は不要です。これは、自動販売機による特例が使えるからです。帳簿には”自動販売機特例✕✕銀行□支店ATM”と記載します。
このように振込手数料をひとつとっても取り扱いが色々あります。こんなこと全てを把握することは難しいと思いませんか?
インボイスは登録番号と10%と8%の区別さえしっかり明記するだけで良いのでないでしょうか。