確定申告が最終段階に入りました。さすがにここまでくると疲れがピークになります。
牧会計事務所 所長の牧です。
1.交際費の損金不算入制度について、交際費等の範囲から除外される飲食費の金額基準を”一人当たり5,000円以下から一人当たり1万円以下”に引き上げることが示されました。令和6年4月1日以後に支出する飲食費から適用される予定です。現行の”飲食費5,000円基準”では,一定の事項を記載した書類を保存することが必要とされていますが、令和6年4月1日以後の支出に係る”飲食費1万円基準”についても、書類への記載事項や保存要件に変更はない予定です。
記載事項
帳簿書類への記載事項として「飲食費に係る飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名又は名称及びその関係」があります。
これは、社内飲食費でないことを明らかにするためのものであり、原則として、飲食等を行った相手方である社外の得意先等に関する事項を「○○会社・□□部、△△◇◇(氏名)、卸売先」というようにして相手方の氏名や名称の全てを記載する必要があります。
ただし、相手方の氏名について、その一部が不明の場合や多数参加したような場合には、その参加者が真正である限りにおいて、「○○会社・□□部、△△◇◇(氏名)部長他10名、卸売先」という記載であっても差し支えありません(氏名の一部又は全部が相当の理由があることにより明らかでないときには、記載を省略して差し支えありません。)。
2.相続時精算課税制度
2023年度税制改正では相続時精算課税制度に新たな変更点が加えられました。特に大きな変更点が、「年間110万円の基礎控除の創設」です。2024年1月1日以降に相続時精算課税制度を選択して贈与を行った場合、年間110万円以内であれば贈与税はもちろん、相続税もかからなくなりました。加えて、贈与税の申告も不要です。これは納税者にかなり有利な改正です。なぜなら暦年贈与の場合は相続開始3年前の贈与は相続財産に加算されるし、改正のより3年が最大7年間になっていきます。
今までは相続時精算課税制度を選択した場合は、たとえ10万円の贈与でも申告しなければいけませんでしたが、改正により110万円まで贈与は申告不要になります。また、暦年贈与は相続財産に加算される可能性があるので、被相続人が高齢ではできない場合もありました。精算課税方式は、110万円まで相続財産に加算されないので被相続人が高齢であっても安心して適用することが出来ます。
今回の改正により相続時精算課税制度のメリットが高まる一方で、次のような注意点もあります。
- 暦年課税制度には戻れない
- 年110万円を超えたら贈与税申告が必要になる
- 小規模宅地等の特例が使えなくなる
3.また反対に、暦年課税制度においては生前贈与加算の時期が延長となりました。2024年1月1日以降に暦年課税制度を利用して生前贈与を行う場合、死亡前3年間における贈与財産の扱いは従来の暦年課税制度と同様です。しかし、それよりも前の4年間に贈与された財産については、全体から特別控除額100万円を差し引いた金額を相続財産に加算するようになりました。
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