ゴールデンウイークも後半になりました。街中はひとでごった返しています。この時期は遠出をせずに家でゆっく過ごすのが無難ですね
牧会計事務所 所長の牧です。
信用保証制度とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に信用保証協会が債務保証する制度です。信用保証協会は中小企業や小規模事業者の資金繰りを円滑にする目的に発足した機関で、金融機関との取引実績が少ない中小企業や小規模事業者が融資を受けるに当たって、公的機関である協会が保証人となることで融資を受けやすくなります。
現在、日本の中小企業の4割が信用保証制度を利用しています。そのうち7割が経営者個人が会社の連帯保証人となる”経営者保証”を提供しています。こうした背景等を踏まえて、経営者保証に依存しない中小企業の事業の発展を後押しするため、以下の3つの制度を創設しました。
1.事業者選択型経営者保証非提供制度(横断的制度)の創設について
信用保証付融資において、一定の要件を備えた中小企業者が保証料率の上乗せを条件として経営者保証を提供しないことを選択できる制度です。
次の要件のいずれにも該当すること
① 過去2年間(法人の設立日から2年経過していない場合は、その期間)において決算書等を申込金融機関の求めに応じて提出していること。
② 直近の決算において代表者への貸付金等がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと。
③ 直近の決算において債務超過でない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において減価償却前経常利益が連続して赤字でないこと。等です。
- 上記の③の要件の両方を満たす場合
信用保証協会所定の保証料率に0.25%上乗せ - 上記の③の要件のいずれか一方を満たす場合又は法人の設立後2事業年度の決算がない場合
信用保証協会所定の保証料率に0.45%上乗せ
2.事業者選択型経営者保証非提供促進特別保証制度(国補助制度)について
前記1.の制度の活用を一気に加速していくため、当初3年間(2027年3月末まで)の時限措置として、上乗せされる保証料率の一部を国が補助する信用保証制度を創設します。
3.プロパー融資借換特別保証制度について
経営者保証を求めない取組による信用収縮を防止し、民間金融機関における取組浸透を促すために、例外的に、既往のプロパー融資(経営者保証あり)から信用保証付き融資(経営者保証なし)への借換を認める保証制度を時限的に創設します。
プロパー融資とは、信用保証協会の保証を付さない融資のことです。通常のプロパー融資では債務超過があると金融機関からほとんどのケースで経営者保証を求められますが、新制度では債務超過であっても減価償却前経常利益が連続赤字でなければ、保証料の上乗せで経営者保証が不要となります。