外貨建預金を円にした場合の所得

９月も１０日を過ぎましたが、まだ夏日が続いています。夏は６月から９月までと認識した方が良いです。その結果。春と秋がひと月づつ短くなります。

牧会計事務所　所長の牧です。

最近はやや円高傾向になりましたが、今年の７月に１ドルは円に対して１６１円になっていました。外貨建預金のドルを円に交換した方も多かったのではないでしょうか？仮に１ドル１００円で５０,０００ドルを外貨建預金に預けた方が、１ドル１６１円で５０,０００ドルを円に交換した場合は、６１円×５０,０００ドル＝３,０５０,０００円の為替差益が発生します。気をつけてください、この為替差益は雑所得になり他の所得と合算され累進課税が適用され、多大な所得税になります。”黙っていれば分からないかも”と考える方がいたら気を付けてください。FX業者、証券会社、保険会社等は取引があった場合は税務署に報告する義務があります。多額の金額が動いた場合は税務署から取引のお尋ねが来ますので、申告していない場合はすぐにばれてしまいます。

外貨建預金の取引内容は税務署に報告はされないでしょう。ただし最近の円安で為替差益については税務署も注意をしているはずです。どこからのルートで発覚するか分かりません。もし、申告しない場合は重い罰則がありますので申告しなくていけません。

ドルを円に転換した場合の為替差益は認識できるのですが、外貨建預金を払い出して株式等の資産を購入した場合には為替差益を忘れがちになります。株式等の購入価額の円換算額とその購入に充てた外国通貨を取得した時の為替レートにより円換算した金額との差額を”雑所得”として申告する必要があるのです。所得税法では、外貨建取引を行った場合には、その外貨建取引を行った時における外国為替の売買相場により換算した金額により各種所得の金額を計算するものとしています。ドルを払い出してドル建ての株式等を購入しても、為替差益が発生するのです。

また、保有する外国通貨を他の外国通貨に交換した場合も同様です。円からドルに交換した後に他の外貨に交換した場合、他の外貨への交換時に、その外貨の額を交換時の為替レートにより円換算した金額と、当初の円からドルへの交換時の為替レートにより円換算した金額との差額を所得として認識することになります。外貨建預金をそのままにしていれば、為替がどうなろうと所得は発生しませんが、払い出しをした場合は所得が発生しますの気をつけましょう。