2024年10月24日 8:02 pm

10月も終盤になりましたがまだ半袖で過ごすことが出来るので、まだ衣替えができません。

牧会計事務所 所長の牧です。

金の価格が過去最高値を更新して、10年前の2倍以上になっています。金は”有事の際に最も安全な資産”と言われるように、ロシアのウクライナの侵攻や中東情勢の悪化により金の価格は上昇しています。株式市場や為替相場は、世界情勢や政権が変わると敏感に反応して大きく暴落する可能性があるため、有事には安全な資産とは言えません。

先日、百貨店に行ったとき、金商品が多く展示されていました。その商品の多くが”おりん”で何百万円もするものあり、”おりん”を鳴らすと素晴らしい音色で魅了されました。この音色のために何百万円もする”おりん”を購入する人がいるとは思えませんが、それが相続税対策になると言われれば購入する富裕層の方がいても不思議ではありません。

金の延べ棒は、加工賃がないため金そのものの価格相場で売買することができ、有効な投資財産になる可能性があります。なぜなら、金相場は長期的にみれば安定した上昇傾向にあるからです。しかし、”おりん”は加工賃がかかるため、金そのもの価格よりもかなり割高になり有効な投資財産になりにくいです。

ご先祖を祭って敬うために日常に使う仏具などは相続財産になりません。そのため亡くなられた方が生前に購入した仏具等は相続税が非課税になります。”おりん”も仏具ですので相続財産にはなりません。ですが、純金製の何百万円もする”おりん”が仏具として認められ相続税が非課税になるでしょうか?

税務署は、骨董的価値があるなど、投資の対象となるものや商品として所有しているものには相続税が課税されると定めています、純金製の”おりん”が換金性が高いと判断されれば仏具等と認められず相続財産になる可能性が高いです。相続税対策のためだけに純金製の”おりん”を購入するのは避けた方が良いでしょう。

個人が200万円を超える地金、金貨、プラチナ売却、あるいは他の貴金属などに変換した際には、買取業者に”地金等の譲渡の対価の支払調書”の提出が義務付けられています。金の購入時には問題はありませんが、売却時にはその動きを税務署に把握されていますので必ず申告をしてください。金地金を売ったときの所得は、原則、譲渡所得として、給与所得など他の所得と合算され総合課税の対象となります。なお、金投資口座や金貯蓄口座などからの利益は金地金の現物の譲渡とは異なり、源泉分離課税となります。

 

 

 

 

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