2024年11月6日 7:41 pm

11月は一年で一番法人の決算が多い月にあたります。慌ただしくひと月が過ぎ去ることでしょう。

牧会計事務所 所長の牧です。

大リーグのワールドシリーズはドジャーズの勝利で終わりました。日本でも日本シリーズは横浜ベイスターズの下剋上勝利で終わりました。ハロウィンも静かに終わり今年の大きなイベントはほとんど終わりました。

税務の世界では、今103万円の壁が壊れるか、壊れないかで話題になっています。選挙で自民党が惨敗するまでは問題にされていなく、いつも改正が行われない大きな壁でしたが、惨敗していよいよこの壁が壊されるかもしれません。

103万円の壁とは、給与収入が年103万円を超えると、自分のバイト代やパート代などに所得税が課税され始める年収額を指します。学生やフリーターなど家族の扶養に入っている人は、年収103万円を超えると扶養を外れ、親などの扶養者の所得税と住民税が増える年収額でもあります。パート主婦・主夫の配偶者の扶養控除は、2018年の税制改正により、103万円の壁ではなく、配偶者特別控除の満額が適用される年収150万円が税制上のボーダーラインになりました。

この103万円の壁は、1995年に引き上げられてから約30年間も据え置きにされています。その当時の愛知県の最低賃金は626円でしたので、今の1077円と比べると1.72倍になっています。だから103万円を1.72倍した178万円に引き上げると国民民主党が主張するのです。

たしかにその通りです。中小企業では、最低賃金が上がるたびに、年収を103万円に押さえるため労働時間を少なくされています。そうして労働時間が減らされた分を新たな人で補わなくてはいけませんが人材難で人を確保することが出来なくなっています。103万円の壁が178万円まで引き上げれば労働時間を確保することは出来るかもしれません。

ただしもう一つ130万円の壁があります。年収が130万を超えると社会保険上の扶養ではなくなるため、自分で社会保険に加入し、保険料を納める必要があります。勤務先の社会保険に加入しない場合は、国民健康保険と国民年金への加入が必要です。いくら税金を178万円までに引き上げても、社会保険が130万円で加入しなければならないと今度は年収を130万円までに抑えようとする人が増えるでしょう。

税金だけ178万円に引き上げるだけではなく、それと一緒に社会保険も引き上げる必要があるでしょう。

 

 

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