
”暑さ寒さも彼岸まで”のことわざは昔からの経験則ですが、実際に気温の変化と合致することが多く季節の節目として意識されてきました。今年も彼岸が過ぎると暖かい日が続いています。昔のことわざは良くできていますが、そのあとが、昔と違い春があっという間に終り厳しい夏が来てしまいます。今年の夏も猛暑になるでしょう。
牧会計事務所 所長の牧です。
今回の贈与税の申告から、相続税精算課税制度について110万円の基礎控除が創設されました。
今回のブログは相続税精算課税制度と暦年課税について説明します。相続税精算課税制度を一度選択した場合は、それ以後は暦年贈与の1,100.000円基礎控除をすることは出来ません。これは同じ贈与者の場合に限ります。つまり、父親からは相続税精算課税制度、母親からは暦年贈与を祖父から相続税精算課税制度を別々に受けることは出来ます。そして、相続税精算課税制度の基礎控除額1,100,000円と暦年課税の基礎控除額1,100,000円を併用適用することはできます。
但し、相続税精算課税と暦年贈与を受けている受贈者の基礎控除額は2,200,000円が限度になります。相続税精算課税の特別控除額は特定贈与者ごとに適用がありますが、同年中に複数の特定贈与者から贈与を受けた場合であっても1,100,000円が限度になります。この場合、各特定贈与者から贈与を受けた財産について適用される基礎控除額は、1,100,000円を特定贈与者ごとの贈与税の課税価格で按分して計算することになります。
従前の相続税精算課税制度では、特定贈与者から贈与を受けた特別控除前の価額が特定贈与者の相続税価格に加算されていましたが、令和5年度改正により、基礎控除額の控除後の価額が加算対象となりました。したがって、暦年贈与と異なり、特定贈与者の相続の同年中に1,100,000円の贈与があった場合でも、この贈与については、相続税の加算対象から除かれることになります。
今まで相続税精算課税制度で贈与受けた場合は申告が必要でしたが、今後は年間1,100,000円までは贈与の申告も不要になります。暦年贈与と同じ扱いになります。
なかなか複雑な制度ですが、うまく活用してください。