
桜の花も程よく散り、随分と暖かくなりました。
冬はインフルエンザ、春は花粉症が気になり、まだマスクを取る
タイミングを失っております。
事務員Naです。
皆様は“春”といえば何を思い浮かべるでしょうか。
春の楽しみは様々あると思いますが、私はまず『ウグイスの鳴き声』が脳裏をよぎります。
ウグイスは“春告鳥”とも呼ばれ、凡そ2月から5月にかけて
日本人になじみ深いあの鳴き声を響かせています。
気象庁でも、ウグイスが鳴き始めた日を“春の訪れ”として記録しているそうです。
数年ほど前からでしょうか。
家の庭先にウグイスが来てくれるようになり、
鳴き声を聴いてから、慌ててカレンダーを切り替えたりなどしておりました。
しかし、このウグイスの鳴き声。
最初からそこそこ上手な子もいれば、大変不器用な子もいます。
音が外れていたり、所々掠れていたり。
何度も何度も、練習を重ねているのですが、声を出しすぎて
「ホーホゲギョ!!!」
と、語尾が濁ってしまう始末。
認知症を患い、毎日ふわふわと笑ってばかりいた祖母がスッと真顔に戻り
「まぁ~下手くそだね~」
と呟くほどに。
そもそも、ウグイスのあの鳴き声は、繫殖期の一定期間にしか聞けないもので
どの個体も最初は拙いのが普通だそうです。
それでも、日数を重ねていくうちに声は高く、次第に伸びるようになり
春が終わりを迎える頃合いには、大変見事な鳴き声を響かせて
そのウグイスは去っていきました。
『ウグイスかくあるべし』
という固定概念が覆されてからというもの、春が巡る度に、
調子はずれで不格好な鳴き声を思い出すようになりました。
何事も、最初から上手くできるなら、それに越したことはありませんが
世間に認められずとも、笑われてしまうほど拙くても
懸命に積み重ねたものは、誰かの記憶に残り、何かの形を為すのではないかと思います。
自分も初心を忘れず、こつこつと精進していきたい所存です。
まだ夏は少し先ですが、すでに猛暑が予想されています。
こまめな水分補給を忘れずに、どうぞ皆様ご自愛ください。