2025年5月7日 9:03 pm

5月に入り服装もクールビズになりましたが朝昼晩の寒暖差があるためまだまだ寒さを感じる時もあります。

 

牧会計の税理士の近藤です。

 

最近顧問先の社長さんから増資の相談がありました。
取引先もそれなりの名のあるゼネコンになってくると協力会社の協力会に入らないといけなくなるそうですが、協力会社のほとんどが株式会社であるため有限会社だと規模も小さく格下に見られるような感じを受けるそうです。
せっかくなので300万円から1000万円に増資して株式会社にする方向になりました。
増資には有償増資と無償増資があります。有償増資は、新たに株式を発行する方法であり、無償増資は株式を発行せずに増資する方法です。このため有償増資は会社に新たに資金が入りますが、無償増資では入りません。それぞれ具体的な方法は以下のとおりです。

 

 

有償増資の種類

1)第三者割当増資
特定の第三者に新株を発行し、出資を受ける方法です。
知人など会社を応援してくれる人などに対して行われる方法です。

(2)株主割当増資
既存株主に対し、持株比率に応じて新株を発行し、出資を受ける方法です。

(3)公募増資
上場企業が、広く一般投資家に対して新株を発行し、出資を受ける方法です。

無償増資の種類

(1)利益剰余金の資本組み入れ
会社が過去から積み上げてきた利益は、資本の部の利益剰余金となります。これを資本金に組み入れると「資本金」の金額を増やすことができます。帳簿上、利益剰余金から資本金へ振替されるだけであるため、資金の流入はありません。
(2)資本剰余金の資本組み入れ
資本剰余金は資本金ではないものの、資金の出所は資本金と同様か類似しています。「資本金」とはせずに留保していたものですが、これを資本金に組み入れると「資本金」の金額を増やすことができます。こちらも帳簿上の振替になり、資金の流入はありません。

 

 

増資した場合の税務リスク

増資新株を誰に何株割り当てるかによって、株主に対して贈与税や所得税が課税されることがあります。
増資前の株主に対して、増資前の持ち株数に応じて新株を割り当てる場合には、新株の発行価格をいくらにしても問題はありません。また、総数で何株発行しても構いません。
しかし、増資前の株主以外の人や会社に新株を割り当てる第三者割当増資の場合や、増資前の株主に割り当てるが、増資前の持ち株割合とは違った割り当て方をする場合には、税務上は株主間で贈与があったものとみなされ贈与税または所得税が課税されることがあります。
第三者割当増資の場合において、株式の時価よりも低い価額で発行したいわゆる有利発行の場合、時価と発行価額の差額について贈与があったという扱いを受けます。

 

増資する場合はまず会社の一株当たりの純資産(時価)を算定し株主等の持株比率等をしっかり押さえて進めていただきたいと思います。

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