
毎年と同じようにゴールデンウイークはバタバタしただけで終わってしまいました。いつもゆっくり休んでと思っているのですが…
牧会計事務所 所長の牧です。
同居20年以上の離婚は3万9000件に上り、全体の23.5%を占めて過去最高となり、離婚夫婦の4組に1組が熟年離婚とのことです。熟年離婚が若年離婚と大きく異なるのは、離婚時に財産が一定の規模になっているケースがあることと年金問題があることです。若年離婚に付き物の子どもの養育費や、浮気などを理由とする慰謝料の問題が少ないかわりに将来の生活費に直結する問題がでてきます。
離婚につきもののお金は、財産分与、慰謝料、養育費ですが、これらは税法上では原則として非課税です。理由は、財産分与は税金を支払った後の夫婦共有財産から自分の取り分をもらうだけであり、慰謝料は相手の不貞などによりマイナスになっていた状態がゼロに戻っただけだとされ、養育費については扶養義務に基づく生活費の支払いとされるため利益の享受には当たりません。
ただし、気を付けなければならないのは、支払いが常識的にみて過大とみなされば贈与税が課されます。財産分与が不動産の場合は譲渡所得税が課されます。この場合、譲渡所得税が課されるのは、分与を受けた側ではなく、分与を行う側が負うことです。
財産分与は婚姻期間に夫婦が協力して築いた財産に限られるため、親から相続や贈与で得た財産は対象になりません。そのような財産が多くある人から、過大に財産分与を受けると贈与税がかかってしまいます。そこで、籍はそのままで別居をしてお互いに自由な生き方を選択する方も増えているようです。この場合、財産は相続財産になるため、妻が離婚せずに夫を看取った場合は、親から引き継いだとかの区別なく相続財産の半分または1億6000万円まで相続税はかかりません。どちらが得か考えている夫婦もあるのではないでしょうか?
さらに年金については、2007年4月に”合意分割”制度がスタートしました。婚姻期間の夫または妻の保険料納付実績を按分割合の限度である最大2分の1まで一方に分割できる制度です。合意分割は夫婦が話し合って分け方を決めるのですが、要求を突っぱねることは出来ないため基本的には半分ずつになります。さら専業主婦やパートなどで3号被保険者だった場合は、話し合いの必要がなく自動的に半分がもらえます。
財産分与で半分とられ、年金も半分取られたら老後の生活に支障が出るでしょう。熟年離婚はこわいですね!