
牧会計事務所 所長の牧です。
日経平均株価が1年1か月ぶりに最高値を更新しました。日本企業は2026年3月期は6年ぶりに減益になる見通しにもかかわらず、8月12日の日経平均は4万2718円を付けました。この最高値の更新は24年7月11日以来です。
株価が上昇したのは、アメリカの関税措置をめぐり先の日米合意の内容が反映されるという見方が広がって先行きの不透明感が薄らいだことに加え、アメリカが中国の輸入品に対する追加関税の一部の停止期限を延長すると発表したことで、米中の貿易摩擦への懸念が和らいだことなどが要因です。
ことし4月、アメリカのトランプ大統領が相互関税を打ち出した際、投資家の間では世界経済の先行きに対する懸念が強まり、世界の株式市場が同時株安に見舞われました。しかし、100%を超える高い関税をかけ合っていたアメリカと中国が関税の引き下げで合意するなど、深刻な事態が回避される中で投資家の間では「トランプ大統領は高い関税率を突きつけても最後は柔軟な姿勢を示す」といった見方が出ています。
さらに、楽観的なムードがある一方、投資家の間では関税措置によってアメリカ経済が高いインフレに見舞われ、景気が減速するのではないかといった警戒感が根強くあります。こうした中、投資先がアメリカに集中しないよう日本などに分散させる動きにより日経平均株価が上昇しました。
今後の日本株はどうなるでしょうか?やはり関税の影響により企業業績がどうなるかでしょうか?アメリカの関税措置の影響で、自動車メーカー各社のことし4月から6月までの決算では、営業利益が合わせて7830億円押し下げられ、業績への影響が表面化しました。日米メーカー別に見ますと、
▽トヨタ自動車は4500億円
▽ホンダは1246億円
▽マツダは697億円
▽日産自動車が687億円
▽SUBARUが556億円
▽三菱自動車工業が144億円
それぞれ営業利益を押し下げたとしています。1年間の業績見通しでは、トヨタ自動車は1兆4000億円、ホンダは4500億円、それぞれ営業利益を押し下げると見込んでいて、巨額の負担が重くのしかかることになります。
これだけ営業利益が押し下げる見込みでも、トヨタ自動車の株価は下がることもなく、安定した株価の動きになっています。株価の値動きはよく分かりません。業績が良いにも関わらず株価は下げ続けることもあります。
短期的な値動きにあまり惑わされずにしなくてはいけませんね