ようやく猛暑が終わろうとしています。9月末になるので当たり前のことですが、30度をわずかに下回っただけで涼しく感じます。このところゲリラ豪雨、竜巻や突風で住宅や車に被害がでています。台風、地震だけではなく新しい災害に気をつけないといけません。
牧会計事務所 所長の牧です。
現金を自宅の金庫などで保管する”タンス預金”が2025年7月に約47兆円になったようです。低金利を背景に23年1月時点で過去最大の60兆円規模までに膨らんでいましたが、13兆円も減少しました。タンス預金がそんなにたくさんあるのかと驚きの人は多くいると思います。相続の申告をしていると驚くほどの現金を自宅に保管している方がたくさんいらっしゃいます。銀行ではなく身近なところに置いておきたいという心理なのでしょうか理由はよく分かりません。
相続の調査があり、現金が多額にある申告をすると必ず現金の保管場所を調べられます。保管場所を調べられると、申告した金額以上の現金がさらに保管されているケースが結構あります。被相続人から現預金管理を任されている相続人は、相続税をごまかしたいというより他の相続人に渡したくないという心理から現金で保管していることがありまが、その現金の多くは無申告になっています。しかし、税務署は許してくれませんので厳しく罰せられます。
タンス預金が減少した要因は、金利上昇などの影響のほか、近年相次いだ広域強盗事件などを意識して自宅に多くの現金を置くことを避ける動きが広がった可能性があります。金利が上がってくれば現金で保管するより、金融機関への預金や個人向け国債などに回した方がメリットは大きくなります。
さらに最近の物価高が影響している可能性もあります。消費者物価指数の前年同月対比上昇率は8か月連続で3%を上回っていてタンス預金を取り崩して生活費にあてたケースもありそうです。
日本国内で流通する現金(銀行券と硬貨)の対GDP比率は2016年に20.0%であり、米国に比べ約2.5倍、最低のスウェーデンの約14倍となっている。日本と対照的なのが中国です。カード決済金額(電子マネーを除く)対GDPは75.7%とCPMIメンバー国の中でも2位の韓国を上回るずば抜けて高い数値を示している。偽造や盗難などのリスクが低い日本では「現金に対する国民の信頼度が高い」結果です。