10月に入りましたが依然暑い日があります。あと3ヶ月で今年も終わるのですが、秋が来る気配がありません。今週土曜日の自民党の総裁選の行方が気になりますが、今のところまったく誰になるか分かりません。
牧会計事務所 所長の牧です。
2024年度にふるさと納税制度を利用して行われた寄付金は約1.3兆円で、過去最高を記録しました。前年度比14%増となり、5年連続で過去最高を更新しています。家計の負担を減らすために食料品を返礼品に指定する人が増えていて、なかでも価格高騰が社会問題ともなったコメの人気が高まったためです。
一方、同制度に財源の流失が著しい東京都では、24年度に都民がふるさと納税を通じて他自治体に寄付した額が約2,160億円に上り、一方で都が得た寄付金額は約146億円で差引2,000億円以上が流出している計算になります。このことで小池百合子都知事は”受益と負担という地方税の原則をゆがめるもので、返礼品の競争が続いていて、本来の寄付の趣旨とはかけ離れた制度になっている”として制度開始当初から廃止を求めています。
ふるさと納税は寄付という趣旨からはかけ離れているかもしれません。実務では、納税者からは、税金計算をしてどれだけの金額まではふるさと納税をしても”損にならないか”調べてくださいという質問ばかりです。おそらく納税者の99%が返礼品が得になるから寄付をするというものです。それが寄付という精神に反しているといえばそうでしょう。
しかし、返礼品目当てでも地方自治体が活性化し、地方の企業の売上があがれば同じ効果になり、趣旨とはかけ離れたとは言えないかもしれません。東京都はほっておいてもお金が集まってきて、お金が有り余っています。2,000億円減ったくらいでびくともしないはずです。
近年では、税源として行政サービスなどに還元するはずの寄付金額について、その相当部分が経費として流出している懸念があります。24年度に行われた寄付のうち、46.4%に当たる5,901億円が経費でした。このうち、仲介サイトに掲載料や手数料として支払った額は、同13.0%の1,656億円でした。
本来は地域振興や住民サービスのために使われるべき寄付金が、返礼品の仕入れや発送、広告宣伝、仲介サイトの手数料といった経費に消えていきます。大手通販サイトなみのプロモーション合戦が激化しており、自治体がそれに追随するかたち経費を拡大させています。経費は仕方ないですが、どこまで考えて経費を使うかが問題でやみくもには使うべきではないでしょう。
損にはならない”