今年もあっという間に12月になりました。いよいよ、複雑な年末調整をしなくてはいけないので、大変気が重くなります。無事に間違いなく終われるか心配です。
牧会計事務所 所長の牧です。
スキマ時間に手軽に働くことができる”スキマバイト”等が流行しています。しかし、制度が追いつかないので色々な問題点が出て来ています。マッチング業者を通じた短時間・単発の仕事であるスポットワーク(スキマバイト)で働いていた神奈川県の大学3年の男性が、飲食店運営会社など2社に対し、仕事の直前キャンセルに伴う賃金と交通手当の計約1万4000円の支払いを求めて提訴する事件が発生しました。労働契約がいつの時点で成立しているかが争われるようです。マッチングした時点か出勤した時点かどうか…
スキマバイトなど働いた日ごとに給与の支払いがある日雇給与では、原則、日額表の”丙欄”により源泉徴収を行います。ただし、丙欄給与はその日の給与が9,300円未満の場合は源泉徴収が不要です。年末調整は、扶養控除等申告書を提出した者が対象となるので、スキマバイトでは、通常、扶養控除等申告書を提出しないため、スキマバイトの丙欄給与は年末調整の対象となりません。
しかし、年の途中でスキマバイト先の会社で正社員として直接雇用となり、扶養控除等申告書を提出した場合は、丙欄給与から甲蘭給与に変更にとなり、年末調整の対象となります。この場合、スキマバイトとして支払っていた丙欄給与を含め、甲欄給与と合わせて年末調整を行います。
年の途中でスキマバイト先と異なる会社に正社員として雇用された場合は、甲欄給与は年末調整の対象になりますが、別のスキマバイト先の丙欄給与は年末調整の対象にならないため、基礎控除の額を超える場合は確定申告をしないといけません。また、複数社でスキマバイトを行っていて、そのうち1社で正社員として雇用された場合は、その就職した企業以外のスキマバイトの丙欄給与は年末調整の対象にはなりません。この場合も、就職した企業以外のスキマバイトの丙欄給与を含めて確定申告しないといけません。
その年が,複数社のスキマバイトの丙欄給与だけの場合は、年末調整は必要ありませんが、給与所得が基礎控除を超える場合は確定申告をしないといけません。