日に日に寒くなってきました。
昼夜の寒暖差が激しいので体調を崩さないように気を付けたいものです。
前回記事からの続き、
インターネット等を用いた取引の際の、消費税の取り扱いについてご紹介いたします。
インターネット上の取引は、国内取引(課税)か国外取引(非課税)の判定が難しく、この判定をめぐっての裁判や争いも起こっております。
大前提として、国はより多くの税収を確保しようと考えています。
インターネットを通じたサービスでは、国が消費税を取りっぱぐれる事が多々ありました。
消費税は基本的にサービスに課税されます。事業を行っている人は、売上と共に消費税を預かり、国におさめます。
ただ、インターネットで国外からサービスを行う事業者は、消費税相当分を売上と共に預かっていても、消費税を日本に納める事はありませんでした。
そこで、国は平成27年に大幅な制度改正を行いました。
この制度改正により、
消費者向けの取引(サービス)か、事業者向けの取引(サービス)かで大まかに取り扱いが分かれる事となりました。
下記に、インターネットを介したサービスの取り扱いについて紹介します。
国内事業者⇒国内消費者へのサービス
当然消費税は課税されます。
国外事業者⇒国内消費者へのサービス
アマゾンやネットフリックスのサービスを日本国内で受ける事等が該当します。
今までは、サービス提供を行う者(アマゾン等)の事務所等の所在地により、「国外取引」=消費税不課税と判断されてきました。
しかし改正により、「サービスを受ける者の住所等」に判定が変更されましたので、
日本国内でアマゾンやネットフリックスのサービスを受ける限り、消費税は課税される事となります。
国外事業者⇒国内事業者への消費者向けサービス
消費者向けのサービスであっても、例えばネットフリックスを店舗で流すなど、国内事業者がそのサービスを受ける事はあります。
その場合、上記で紹介したように消費税は課税されますが、その国外事業者が「登録国外事業者」でないと、消費税計算で不利になります。仕入税額控除が出来ません。
国外事業者は日本向けにサービスをし、消費税を預かっています。そのため、海外企業であっても、その消費税を申告納税しなければなりません。
今まで彼らは当該消費税を日本に納めていませんでした。
届け出を行い、日本に消費税を納める国外事業者が「登録国外事業者」となります。
国外事業者⇒国内事業者への事業者向けサービス
ビジネス向けに利用するために海外の業者からのサービスを、インターネットを通じて提供を受ける場合、
サービスを受ける側の住所等が日本国内であれば消費税が課税されます。
ただし、この取引による消費税の納付は複雑になりました。「リバースチャージ制度」が導入されました。
リバースチャージ
通常は、サービスを提供した側が対価と共に「消費税を預かり」、国に納付しますが、
リバースチャージ制度の下では、サービスを受けた側が消費税相当分を申告し支払います。
事業者向けの取引の定義は下記のようになっています。
〇事業者向けの取引
インターネットのウエブサイト上への広告の掲載のように、事業者向けであることが客観的に明らかなもの。
役務の提供を受ける事業者に応じて、各事業者との間で個別に取引内容を取り決めて締結した契約に基づき行われる電気通信利用役務の提供で、契約において役務の提供を受ける事業者が事業として利用することが明らかなもの。
要は「事業者向け(ビジネスを行っている人向け)であることが客観的に明らかなもの」です。
なお、上記で紹介したリバースチャージ方式は、経過措置が設けられています。
課税期間における課税売上割合が 95%以上である事業者、当該課税期間について簡易課税制度が適用される事業者については、
当分の間、国外事業者⇒国内事業者のインターネットを利用した取引はなかったものとみなされます。
その他、例外事項等もありますので、この取引が課税か不課税か、
ご判断に迷われた方はお問い合わせください。
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